遺伝子検査をします
もうブリーディングをはじめて10年近くになります。宏美先生のように40年以上やっている経験値には敵いませんが、10年でも分かることがあります。それは犬の遺伝は強烈に受け継ぐということです。
もちろん人間もそうですから、そんなことは当たり前のことなのですが実際に自分でブリーディングしているとそれを目の当たりにするんです。
大きさ、毛量、骨の形、成長速度、涙やけなど先天的な遺伝は見事に受け継がれています。
見た目に対しての欠点(足が長い・耳付きが高いなど)があれば、その欠点を排除するような交配をして、交配を重ねながら少しづつ改良していきます。もちろんうまくいかない事もありますが、世界中のブリーダーはより良い犬を作ろうとしてきちんとしたモラルを持ってその犬種の理想の形になるようにブリーディングしています。
遺伝の中でも分からないのは、見えない部分。
それは「性格」と「病気」です。
もちろんどちらも後天性(生まれた後の生活環境など)も大いにあります。
後天性のものはブリーダーとしてはアドバイスしかできません。いくらその犬にあった健康指導などしても、オーナーさんが実践してくれなければ、悪い方に向かってしまいます。
ボクは「性格」や「病気」のように目に見えないもののなかにある、悪い遺伝を排除しながらブリーディングをしていきたいと思っています。
わかりやすい例えでいうと、「母性」も遺伝すると言われています。
ファニーテールの母犬はバンビの血統と受け継いでいますので、しつこいくらい母親の仕事します。
生まれてからほぼ三日は寝ずに生まれた仔犬の体やお尻を舐めています。本当に感心しますよ。母親って素晴らしい!って。
だから、母性が少ない親犬はブリーディングから外します。理由は遺伝するから。
もちろんそれだけ(母性がない事)が全てではありませんが、そういった事例もあります。
もう一つは「病気」になるリスクの排除。
人も犬も様々な病気があります。同じ兄弟で同じものを食べていても、同じには健康体になりません。
ただそれは先ほど書いた後天性のこと。
先天性のものとは、親から受け継いだ「病気になる遺伝可能性が高い」遺伝子があるということ。
もしそれが分かっているのであれば、ボクのようなブリーダーはその遺伝子を受け継がないように検査をしてブリーディングをしなければならないと思います。
犬の遺伝子検査はまだまだ途上であり、この病気は遺伝すると分かっていてもその検査ができない事が多いんです。
プードルという犬種も多くの遺伝子疾患がありますが、特に発症症例が多いのが「PRA」という病気があります。
「進行性網膜萎縮症」
この遺伝子を持ったワンコは、この病気が発症すると目がどんどん見えなくなってきて、最後には全盲になります。
もちろんその遺伝子を持っていても、ずべての犬が発症するわけでありません。でも発症しなくてもその遺伝子は受け継がれるため孫が発症する事もあります。
だから、僕の知っているプードルのブリーダーさんはきちんとこの検査をしています。
マルチーズで先天性の遺伝病と言われている中でよくあるものは
アレルギー性皮膚炎
僧帽弁閉鎖不全症
動脈管開存症
気管虚脱
流涙症
膝蓋骨脱臼
水頭症
グリコーゲン貯蔵症
この中でボクの知っている限り遺伝子検査ができるのは「グリコーゲン貯蔵症」のみ。
その他の遺伝子疾患は確定診断はできないんです。なので、ブリーディングをしていく中で上記のような疾患が出た場合はその両親の組み合わせの交配は排除していかなければなりません。
ボク個人的には、検査できるのもはちゃんとしたいと思っています。
以前に先天性の疾患が出てしまい、その血統の全てのブリーディングをやめました。
それから、宏美先生からバンビの血統を譲って頂いて先天性遺伝子疾患は出ていません。
ブリーディングに関して真面目に考えれば考えるほど不安になったりすることもあります。
命を生み出す責任をブレずにしっかり持っておかないと、犬たちに失礼だし最後にバチが当たると思っています。
ここ最近も仔犬のお問い合わせをいただきます。
色々考えながらブリーディングしていますので、仔犬はいつもいません。すみません。。。
家族の一員として可愛いマルチーズを作出できるようにやっていきます^ ^
↑生まれた直後(2019/5/10)
↑初めて5匹出産。死産もなく全員本能でおっぱいを探します。ママは5匹のお世話で大忙しです
↑ママがいつもキレイに舐めてくれるので、仔犬たちはいつもキレイなんですよ
↑仔犬の成長速度にびっくりします。
↑ママの体力消耗は半端ない。フードはいつもの2倍。さらに母犬用の栄養補助食品です
↑生後2日。生まれた時の1,5倍になります。
↑生後1週間。基本仔犬がずっとおっぱいを飲んでいるので、おっぱいに熱が溜まってしまいめっちゃ熱くなります。親は自分で冷たい場所を見つけておっぱいを冷やします。
こんな時はママは何を考えているのかな。。。
↑生後2週間をすぎると目が開きます。耳はまだ閉じています。
↑生後3週間。体が大きくなってきて5匹一緒に飲めない?
写真の左側を見ると、ママのおっぱいが内出血していますよね。おっぱいが吸われすぎと爪が伸びてきた証拠です。
それでも母親は休まずおっぱいをあげ続けます。
ボクは母犬のおっぱいのケアと仔犬の爪切りを定期的にやります
↑お腹いっぱいで熟睡ですね
↑生後3週間くらいから離乳食です。この子はフードに鼻をつけたまま寝てるんです。この性格も遺伝します(笑)
↑可愛いな〜 奥の2匹はなに喋ってるんだろうね
↑可愛すぎてなんも言えねー(北島康介風)
↑あら、いい男!
失礼しました(爆)
だいぶおっきくなりましたね。
生まれてから、ずっとボクと一緒にいますよ
↑あっという間に生後60日過ぎ。新しいオーナーさんのところへいく準備。今は兄弟バラバラになってしまったけど、全員素敵なオーナーさんのところで幸せに暮らしています。
最後までブログをご覧いただきましてありがとうございます。
途中、マッケンユーが出てきましたね。ごめんなさい(笑)
明日はスタッフみんなで美味しいものを食べに行ってきます!!!
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